環境先進国のドイツで一般の人では
なかなか見ることのできない
エコ建築物を見学したのですが、
その建築物がどんな仕様でできているか、
どんな構造のものなのか・・・
ということよりも
ドイツ人のエコロジーや環境に対する考え方
を学べたことが、私にとって大きかった・・・
そんな旅になりました。
ドイツエコ建築で大切な3つのこと
ドイツのエコ建築の考えは、
主に次の3つのことを
とても大切にしていました。
・持続性
・低エネルギー
・厳選された材料
持続性とは、
今だけを見るのではなく、
3世代4世代先に繋げる住宅。
最初に訪れた、ドイツ第2の規模の都市であり
最古の港町であるハンブルグの街には
古いアパートが建ち並んでいました。
そんな雰囲気のあるアパートをよく眺めてみると
しっかりと改修されているのです。
窓は断熱サッシになり、外壁の断熱も強化されています。
建物を長く使うことを大切にしていることが
街を見ているだけでも伝わってきます。
持続性とは長く住めることということなのですが、
人間の本来住む自然環境を大切にするためには、
環境と建築は切り離せない
という考え方が根付いているようですね。
大学内にも保育所が設置
ベルリン郊外のエーベルスヴァルデ大学は
森の中に建設されていて、
まさに自然との融合の建物でした。
建物の外観が違和感なく自然と調和しているか、
ということだけではなく、
学生はもちろん、先生までもが大自然を感じながら
教室で講義をすることのできるように考えられていましたよ。
また、大学内には保育所があり、
ママである学生も安心して学ぶことができる環境なのです。
「子供がいるから学校に行けない
というのは障害の理由にはならない」
という考えには感動です!
まさに、これからの環境を考えているのだと思いました。
ドイツの低エネルギー建築
低エネルギーに関しても、
日本よりはるかに先をいっている印象です。
バスに乗ってアウトバーンを走っていると
風車を頻繁に見かけましたし、
木を原料とした燃料である、木質ペレットも
積極的に使用しているようです。
木質ペレットとは、間伐材や未利用樹、 木材工場か
ら排出される残廃材等を顆粒状に砕き圧縮後に固めて
形成される下の写真のような固形燃料で
ドイツなどヨーロッパを中心に使用されています。
また、エコ建築物を見学すると、
どの建物も大きな換気システムが搭載されていました。
それにより、ドイツの寒い地域でも
低エネルギーで快適な暖かさを保ったり
きれいな空気で生活できるということ。
こういったシステムを導入することについては、
賛否両論あるかもしれませんが、
住環境を快適にしたいというのと同時に
自然環境を大切にする意識から
きているのではないかとも感じました。
実際に太陽光などの自然エネルギーを利用して
ゼロエネルギーをクリアーしていることに納得です。
塗料をサラダにかけて食べる!?
厳選された材料とは、
本物の材料であると同時に、
体に害のある材料であってはならない
ということが、
根本的な考え方にあるようです。
体に害があってはいけないっていうのは、
当たり前なのですが、
その点に関しても日本の基準はドイツに比べ
ものすごく低いと感じずにはいられません。
ユルツェンの自然塗料メーカー「リボス」へ行きました。
亜麻仁油を原料とする塗料を作っていて、
工場内は亜麻仁油のほのかに甘い香りが漂っていました。
亜麻の実の搾りかすが山になっていたのですが、
口にすることもできてしまうくらい安心材料とのこと。
ランチには、塗装にも使う亜麻仁油をかけたサラダを
美味しくいただきましたよ。
ドイツでは、
安心安全はもちろん建材だけでなく、
食べ物を中心として衣食住において言えること。
だから、
食べ物にこだわって体にいいものを摂るけれど
家という住環境には無頓着・・・ってことは
ないんじゃないかな?
住まいも食べ物同様に安心で健康なものでないと
いけないと思っているのだと感じました。
また、ドイツ人は最終的には「自己責任」という考えらしいです。
一人一人の物事に対する意識が日本人とはきっと違うのですね。
・持続性のある建物の建築には本物の材料を使用すること。
・建物の建築時には費用をかけて快適性を高めた上で、低エネルギーでランニングコストを抑えることが大切。
・建物は環境と一体となっていなければならない。体を害する材料の使用はもってのほか。
ナチュールホームの家づくりと
考え方の根本は同じだと思いました。
まだまだ学ぶべきことはあると感じていますが、
どれも私たちが大切にしていることです。
ドイツ人の国民性とは?
たくさんのドイツ人の方にお会いして
話を聞いて、日本人以上に真面目な国民性も感じました。
日本人は「相手に合わせる」と
良くない意味でいうことがあるけれど、
「相手に合わせる」ということは
「相手のことを察してあげられる」という
いい意味でもあるんだな、と思ったことは
ちょっとした発見(笑)
写真は有名建築家や芸術家が学んだという
伝統ある学校、バウハウスの前で
ガイドのケーニッヒさんと主人と一緒に。
ゆるーくドイツ旅行記を書くつもりが
真面目な建築のお話になってしまいました(笑)
9日間という短い間でしたが
感じたことは他にもたっくさんあります!
これからもちょくちょく
ドイツで体験してきたことを
お伝えできればと思っていますので
またどうぞお付き合いくださいませ。
ナチュールホーム
高橋紀子